気づいたらブログを書かずに半年経っていて怖すぎる。
SIGMA 200mm F2 DG OS
あらゆる趣味に通じる信念がある。「最初から一番いい道具を使う」がそれである。入門モデルからステップアップしていく過程は、お金と時間の無駄であり、機会の喪失でもある。いい道具はそのポテンシャルを発揮するための工夫を強いてくるが、この工夫はノウハウとして蓄積される。

このレンズが持つシャープネスとボケ味の共存関係は究極的で、被写体の浮き上がり方というか立体感が尋常じゃない。開放F2から線の細い繊細な解像力を見せ、薄暗いシチュエーションや逆光においてもコントラストを維持したクリアな描写をしてくれる。まあとにかく光学性能が高すぎる。
そしてこのレンズはスペックと比較すればたいへん軽量(1.8kg)なので、最近はどこへ行くにも持ち歩き、スナップ写真もこれで撮っているくらいである。このデカいレンズで着丼したラーメンを撮影する男は周りから見ると変態チックに映るだろうが、変態にチックも何もない、変態でいっこうに構わないと俺に叫ばせるくらいの写りをするレンズということだ。
肉体の老化によってあらゆる場所にこれを担いでいくのが辛くなる日がいつか必ず訪れるだろう。時間は待ってはくれない。その日が来る前に一枚でも多くの写真をこのレンズで撮らなければならない。諸君が一秒でも早くこのレンズを買わなければならない理由としては十分すぎるのではないだろうか。
Voigtlander APO-LANTHAR 50mm F3.5

最近、日中のスナップ撮影にはだいたいこれを持ち歩いている。
夢の「色収差ゼロ」を目指したアポクロマート設計のマニュアルフォーカスレンズ。6群8枚のレンズ構成のうち4枚に異常部分分散ガラスを投入した力作。軸上色収差をはじめとする諸収差を徹底的に排除し、解像力と豊かな階調再現性の両立を目指している。
そして特筆するべきはその軽さである。軽さのためにF3.5を採用しており、夜間や屋内の撮影には向かないが、シチュエーションに縛りがあった方が、外出時のレンズチョイスにメリハリが出て撮影体験がいいです。
周年記念レンズでデザインが凝ってるのもいい。沈胴風(沈胴はしない)で、シルバーの胴体にネイビーのワンポイントが入っているのがかっこよくて、下で紹介するSIGMA bfとのマッチングの素晴らしさが、このレンズを買う最後のひと押しになった。
SIGMA BF

現在メインで運用しているfp Lのサブとして、スナップ用のつもりでSIGMA BFを購入した。しかし、新色も追加されたカラーモードが思いのほかよかったので、結局fp Lと半々くらいの頻度で使っている。ただしBFは背面液晶固定なので、広角レンズを使うシチュエーションでは今後もfp L(チルト液晶化改造済み)を使い続けることになる。
ToshisanK Labさんにて販売されているアルカスイス互換グリップを装備している。レザー部分のネイビーと、上で紹介したVoigtlander APO-LANTHAR 50mm F3.5のネイビーがマッチして最強に見える。
いまのカメラ使い分け事情:
- SIGMA fp L:作品用。チルト液晶化改造済。主にSIGMA 200mm F2、24mm F1.4、LAOWA 10mm F2.8を使用。
- SIGMA fp:+ビューファインダーにてMFレンズ専用機として運用。
- SIGMA BF:サブ機としてfp Lのレンズを補完するように運用。
BFの筐体でセンサーを更新した発展モデルの登場を待望している。
WANDRD PRVKE 31L
https://www.yodobashi.com/product/100000001009285726
上に挙げたSIGMA 200mm F2の購入に合わせて、その持ち運び用に購入したカメラバッグ。バッグの側面にチャック開口があり、そこからSIGMA 200mm F2を取り出すことができてすごく便利だ。
3泊くらいまでの旅行であればこれ1個で問題ない。
瀧本幹也『PRIÈRE』
https://www.seigensha.com/books/978-4-86152-968-9
『LAND SPACE』(青玄舎, 2013年)で宇宙を主題とした瀧本幹也が、京都の寺院と庭園の中に己の内宇宙を見つめる写真集。2024年発刊。
アンダーな露出と、空気を捉えたピント、光の拡散による輪郭の曖昧さ。すでに触れていて、目にしていて、その中に暮らしているような世界を見つめ直すための道具としてのカメラというものを意識させられる。見たことのない建築や驚くべき風景を撮るのに躍起になる前に、この写真集を見て心を落ち着かせている。
Todd Hyde『THE END SENDS ADVANCE WARING』
http://www.toddhido.com/landscapes
アメリカ人フォトグラファー、トッド・ハイドの作品集。2023年発刊。ハワイ、ベーリング海、フィヨルドなどを放浪しつつ、写真家が撮るのは結局、人影のない郊外の情景である。田舎の出である自分からするとそれらの風景は懐かしく親しみやすいものだが、同時に心をざわつかせる不均衡さを感じさせる。
本としてのつくりがとにかく素晴らしい。表紙にリネンを用いた356×432mmの大判製本で、所々のページに小さく印刷した写真が貼り込まれている。トレーシングペーパーに印刷されたブックレットが付属しており、後ろのページの写真が透過することで写真が持つ時間性を感じさせるつくりになっている。
iPhone Air
iPhone 11 Proを使っていたが、さすがにバッテリーがへたってきたので買い替えた。僕がスマホに求める性能は軽さと造形の楽しさ。いい買い物だった。
不満点があるとすれば側面の金属表面加工で、かなり指紋が目立つ。あと、ぼくは指が長い方だから問題ないけど、やはりサイズがデカすぎると感じる人は多いだろうと思う。
栗原亜也子『グリッドの中の風景:網戸越しの庭』

生まれてはじめてアート作品を購入。自宅から徒歩圏に小さなアートギャラリーがあり、ふらっと訪れたときにたまたまやっていた二人展で見つけた作品。作者は横浜を拠点に活躍する現代芸術作家。格子上にオセロのルールで2色の絵具を交互に重ねて画面を構築する《Mind Games》シリーズが代表作としてある。
本作は網戸のグリッドにピントを合わせたポラロイド写真の上でオセロゲームを行い、シアンと赤のアクリル絵の具を積み重ねたもの。絵の具が鉛直方向に高く積み重なっており、それを額に収めるために、フレームのマットを5段階の階段状に構成した額装も面白い。
住宅の網戸という日本人が内面化した「境界」と、オセロというゲームの「規則」によって構成された画面は味わい深い。いまは自宅デスク前の壁に飾っています。