cydonianbananaのLiquor of the Year 2021ということでこの記事ではビール、ジン、ウイスキーに分け、今年飲んだもっとも美味かった酒をまとめていきます。すべての賃金を酒に費やせ。

ビールの部

この世界は宇宙の見ている夢 このイリュージョンはすべてあなたのためにある。 君が宇宙だ! —— UCHU BREWING 公式サイト

COSMIC DREAM(Uchu Brewing)

今年秋、山梨に滞在したときに甲府で偶然立ち寄ったビールショップでMARS、Black Hole、White Hole、Milky Way、Dark Matter IPAなどUchu Brewingの缶をまとめ買いした。いずれも口中で爆発する暴力的な果実香——ライチ、パイナップル、ライム、グアバ、パッションフルーツ——の嵐。口からあふれ出んばかりのホップの鉄砲水。すべての缶で「これが5次元フルーツか!」という感想しか浮かんでこないほど圧倒的な飲み応えがある。あるいは、それこそが5次元フルーツの神髄なのかもしれない。3次元存在である人類にとって、あらゆる5次元フルーツは区別が付かない。我々が触れるには早すぎた魔法のようなビールだ。

Mallow Laser Quest(Brewdog)

小学生のころ食べたカラフルでエキゾチックなフレーバーの絶対身体によくなさそうな駄菓子あるじゃないですか。アレのフレーバーがするビールです。パイナップルとかマンゴーっぽい熱帯アロマに続いてパイナップル、桃のコンポート、レモンシャーベット、サクマドロップ、モンブランの甘味が口中に広がりこびりつくギラついたデザートビール。まだ流通しているかわからんがもし見つけたら絶対に飲んでくれよな。

BREWDOG VS CLOUDWATER - NEW ENGLAND IPA

現行、缶で流通しているNew England IPA(Hazy IPA)の最高峰。小麦っぽいライト感に甘々なトロピカルフルーツのアロマ——パイナップル、メロン、桃、ハワイの海辺で売ってそうなチャキチャキのカップアイス——が立ち上がりつつも、底にはモルト感が重低音のように響いている。煌びやかな美しさとその影、まるでルドンの水彩画のようなビール。空前絶後の傑作であり人類の到達点だ。

ジンの部

A fresh take on a timeless classic. —— Bobby’s Schiedam Dry Gin 公式サイト

BOBBY’S SCHIEDAM DRY GIN(オランダ)

爽やかさに全振りした飲むレモングラス。これはお酒が飲める人全員に勧められるすごいジン。ソーダ割りもトニックウォーター割りも異常に美味い。レモングラスの影からこちらをのぞくベルモットと後味に若干の胡椒のアクセントが効いており、盛夏にこれのソーダ割りを手にベランダに出ればそこはもう最高の夏だ。一刻も早くこの最高のジンを手に入れて最高の夏を自らの手で切り開け! ボタニカル:ジュニパー、レモングラス、シナモン、クローヴ、コリアンダー、ローズヒップ、フェンネル、キュベブペッパー

9148#0104 HAMANASU Craft Gin(紅櫻蒸留所)

ハマナス由来の青いジン。非常にフローラルでありつつ、ボタニカルに利尻昆布が入っていて、ライトだけど深みのある酒になっている。レモンスライスなど酸味を入れると色が変わるギミックも仕込まれており、まさしく夏のジン。残念ながら完売したっぽいのでどうしても飲みたい人はうちに来てくれ。 ボタニカル:ハマナス、ジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカ、カシス、レモンバーム、利尻昆布、明日葉、カルダモン、クローブ、ピンクペッパー、バタフライピー

KYRO PINK GIN

ピンクのジン。ボタニカルにストロベリー、リンゴンベリー、ルバーブ、バニラなど18種類、砂糖も含まれているデザート系ジン。穏やかなバニラのアロマに癒やされる。後味にぎゅっとした苦みがあって締まりがいい。ボトルは冷凍庫で冷やしておいて仕事終わりにコウベハイボールで飲むのがお気に入り。 ボタニカル:ディル、アンジェリカ、カシス・バーク、レモン・ピール、コリアンダー、カルダモン、リコライス、ハイビスカス、オリス、ジュニパー、エルダーフラワー、ストロベリー、リンゴンベリー、ルバーブ、ヴァニラ、ヘザー、バジル、クミン

ウイスキーの部

「モートラックをくれ。これは私たちにとっての心の糧である」と通な人たちは叫ぶだろう。しかし非情なディアジオはこの言葉に折れることなく(折れることができず)哀れな懇願をはねのけた。ほんのわずかな例外を除いて、モートラックのウイスキーはすべてアレクサンダー・ウォーカーの秘密のレシピを受け継ぐ、謎めいたブレンダーたちに独り占めされてきたのだ。高くそびえ立つ砦で、小さな台帳の上にかがみ込んでいた彼らは、その素晴らしさに気づき、自分たちが独占すべきだと決めたのだ。 —— イアン・バクストン『伝説と呼ばれる至高のウイスキー101』

MORTLACH 13 2007 HEPBURN’S CHOICE

モートラックのバーボン樽熟成ボトル。リンゴと糖蜜の印象が際立つ。モートラックらしからぬライトな酒質で、5〜10年熟成くらいの若い印象を受ける。ハイボールにするとシードルのような印象になり夏の夕方に最適な酒。

INCHGOWER 12 2007 ADELPHI

インチガワーには珍しいシェリー樽熟成ボトル。独特のスパイシーさと洋菓子っぽい甘みの調和が見事。食後のデザート、特にケーキとかワッフルみたいな洋菓子に合わせると良い。 貴婦人のひとときの遊び。

TEANINICH 19 1999 BOUTIQUE-Y WHISKY COMPANY

お茶/和菓子のような爽やかな印象とバーボン樽由来の凝縮された甘みを併せ持つハイランドモルトの結晶。ティーニニックは花と動物シリーズ(10年熟成)がこれ気付け薬かな?ってくらいの究極の爽やかさと紅茶のような風味を併せ持った一風変わったボトルで一目惚れしたんだけど、長熟になると樽の良さをしっかり引き出してくれるようで、バーボン樽熟成物が好きな人には一飲に値する素晴らしい出来のボトルになっています。洋菓子、和菓子、ドライフルーツなどと合わせて飲むのが好き。

BLAIR_ATHOL_21_1997_A.D.RATTRAY

果汁を握りしめた拳によるアッパーカット。 バーボン樽由来の濃密な甘い香りが卓越した極めて上品で女性的なハイランドモルトの一つの到達点。香りも味わいも甘々なんだけど後味にスパイスのビター感が長く続くので際限なく次の一口を誘うまさに魔性の酒。極限の甘さを持ちつつも絶妙なスパイシーさによって本当にギリギリのところでバランスが保たれていて飲む度に感動してしまう。こんな酒があって良いのか? 夢のようなウイスキーだ。