衛星カリストの採掘オペレーター・トマはその日、二〇五〇年のβ地球へログインし、山奥の旅館で恋人のニナと落ちあう。四〇分ずれた時間を過ごす二人の前に、世界の仕組みに精通する湯守の老婆が現れる。湯けむりSF恋愛譚。
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あらすじ
地球とカリストのあいだには約四十光分の通信ラグが横たわる。トマがやあと声をかけても、その声がニナに届くのは四〇分後だ。同じ旅館の同じ部屋にいながら、二人は決して同じ時間にいない。不在へ宛てた手紙のような対話を重ねるうち、ニナの実在がゆらぎはじめる。
初出
リフロー型電子書籍化不可能小説合同誌『紙魚はまだ死なない』(2020年)
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