あたかも青く、青という言葉が失われてなお青みがかったような月下の海で、僕たちは今日も漂着物を探して歩く。人類が肉体を失う過渡期を生きる俺たちの日常と、私たちの《普通》。一人称複数の語りが重奏する、百年後のあたしたちによる克明な記録。

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あらすじ

海岸で漂着物を記録しつづける、三体で一人称複数の語り手たち。彼らはネットで言語野を共有し、肉体を持ちながら集合知として生きている。腐りかけた流木を笠木にして鳥居を建て、巨岩を御神体と見立て、浜に打ち上げられたマンドリンを拾う。記録という行為だけが文明の錨だと信じる彼らの日常に、共有された言語野を通ってさまざまな感覚が乗り移ってくる。

初出

ねじれ双角錐群 第四小説誌『心射方位図の赤道で待ってる』(2019年)。テーマは「神待ち」。

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