私のObsidianの使い方

ここ15年ほどにわたって書いたり収集してきたテキストデータが、

  • Evernote
  • iOSのメモ・リマインダーアプリ
  • Tumblr
  • Ulysses(テキストエディタ)

などに散逸していたのですが、今年の年始休みに一念発起して、これらのテキストデータをObsidianに集約しました。それから半年ほど運用して、いましっくりきているObsidianの使い方を共有します。

これらの運用方法を考えるにあたり、以下の本が参考になりました。
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断片ノートとインデックスノート

ぼくは本や映画の感想、日常で考えたことのメモを書いていますが、これらを本一冊、映画一本、美術展一回、アルバム一枚、飲食店一店の単位で1つのテキストファイル(=断片ノート)として、すべての断片ノートを一つのフォルダに置いています。

この調子で600個くらいの断片ノートをごちゃまぜにしている。

Obsidianはファイル間のリンク付け機能が充実しているので、用途に応じたインデックスノートを作って、これらの断片ノートをリンク付けして集約しています。

たとえば以下のようなテーマでインデックスノートを作っています。

  • 2023年に読んだ本
  • オールタイムベスト映画
  • 健康に関する知見
  • 引っ越しに関する知見
  • 競馬ノート
2023年に読んだ本のインデックスノート。断片ノートへのリンクを並べている。

この運用にしてから、テキストデータの整理のために延々とフォルダ分けやタグ付けにこだわる必要がないので楽です。

必要なシチュエーションに応じてインデックスノートを作ることで、機能をベースとしてテキストデータを切り出せるので、過去のテキスト資産をより活用できていると感じます。

デイリーノート

日付をファイル名としたテキストファイルに、思いつき、日記、TODO、読んでいる本で気に入ったセンテンスとかを書き出しており、これをデイリーノートと呼んでいます。

一日の終りに、デイリーノートの中から断片ノートとして抽出したい内容があれば、断片ノートに切り出していきます。

思いついたことをとりあえず何も考えずにデイリーノートに書き出すようにしてから、アウトプットの精神的ハードルが下がっていい感じです。

その日はじめてデイリーノートを開くときは、以下に示すようなテンプレートファイルが使われるように設定します。

[[<% tp.date.now("YYYY-MM-DD", -1, tp.file.title, "YYYY-MM-DD") %>]] | [[<% tp.date.now("YYYY-MM-DD", 1, tp.file.title, "YYYY-MM-DD") %>]]

```dataview
TASK WHERE !completed
```

一行目は、前日と翌日のデイリーノートへのリンク。

“dataview”部分は、全ノートからTODOタスク(行頭が”- [ ]”になっている行)を抽出してくれます。思いついたTODOをその日のデイリーノートに書きたしておけば、タスク完了まで翌日以降のデイリーノートの頭の部分に残り続けるので便利です。

このテンプレートからデイリーノートを作ると以下のようになります。

これらのデイリーノートの運用を実現するためにぼくが使っているプラグインは以下のとおりです。

  • デイリーノート(コアプラグイン):デイリーノートを開くときのテンプレートを指定できる。
  • Templater(コミュニティプラグイン) or テンプレート(コアプラグイン):テンプレート管理用。
  • Dataview(コミュニティプラグイン):TODOリストのクエリ用。
  • Calender(コミュニティプラグイン):カレンダーからデイリーノートが開けて便利。
  • Note Refactor(コミュニティプラグイン)or ノートコンポーザー(コアプラグイン):断片ノートへの切り出しに使う。

テキスト資産の収集とクエリによる集約

読んだ本やウェブ情報から、今後活用したいアイデア、引用したいセンテンスなどを収集し、収集したテキストデータをDataviewのクエリで集約しています。

本のテキスト抽出

読書ノートを作るにあたって、本に書かれているセンテンスをノートに転記したい場合があります。自分でタイプするのは骨なので、ぼくは以下のような運用をしています。

  • iOSアプリ(ClipOCRなど)で、ページ写真からテキスト化
  • iOSアプリのショートカットにて、ペーストしたテキストをObsidianフォルダのデイリーノートに追記する
  • デイリーノートから断片ノートに切り出す

これで読書ノートの作成がかなりはかどりました。

その他、本を音読して音声入力したテキストをデイリーノートに追記するiOSショートカットも用意し、寝る前にベッドの中で読書しているときとかに使っています。

Kindle本のテキスト抽出

Kindle HighlightsというコミュニティプラグインでKindleアカウントと同期することで、Kindleでマーカーを付けた箇所のテキストがObsidianに自動で同期されるようになり便利です。

Kindleでマーカをつけた箇所が自動で生成・同期される。

ただし、これらのテキストファイルはObsidian起動時に自動的に上書きされるので、色々追記したい場合は別に断片ノートを作っておいて、そこからリンク付けするのが良いです。

クエリによる集約

収集したテキストデータのなかで、今後活用したいアイデアや引用したいセンテンスには、行末に”quote”といったタグをつけておけば、インデックスノートに以下のクエリを書くだけでタグ付き行をまとめて抽出してくれます。

```query
#quote
```

ぼくの場合は、多数の断片ノートに分散している小説用のアイデアや引用に使えそうなセンテンスをクエリでまとめています。

ウイスキーのテイスティングノート

Obsidianではフロントマターを扱えるので、ウイスキーのテイスティングノートのように評価する観点が定まっているものは、フロントマターに書くことにしています。

フロントマター情報は、Dataviewでクエリを書けば表として集約してくれます。

これをcsvとしてエクスポート(コミュニティプラグイン:Table to CSV exporter)し、pythonとかで可視化できるので便利です。

その他、旅館の宿泊記録を「建築」「食事」「温泉」の3観点で点数をつけてまとめたりしています。

グラフビュー

それほど実用性はないが、映えるので時おり眺めながらニヨニヨできてオススメです。


過去のテキストデータをObsidianに集約する作業は骨が折れましたが、いちど運用を固めて以降は、それほど精神的なリソースをかけずにテキストデータを蓄えられている気がします。ただ、自分はわりと凝り性でデータ整理とかが好きな人間だからできているという面はあるかもしれません。

こちらからは以上です。

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